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作品など

Ki-Pro×最新デジタル(Full HD)上映システムの提案

Ki-Pro×最新デジタル(Full HD)上映システムの提案

ProResフォーマットでのFullHD (1920*1080)上映を実現

HD撮影環境下でProResフォーマットでの収録を実現したAJA社製テープレスメディアレコーダー「Ki-Pro」は、2009年に日本国内でリリースされ、以降テープレス時代のHD撮影環境において急速に需要が拡大してきた。

本来「Ki-Pro」は、HD撮影においてHDDレコーダーとして発売されたものだが、今回KyotoDUでは「Ki-Pro」の持つ優れたインターフェースを、 映画祭や展示会などの多岐に渡る様々なプレゼンテーションの場で「上映素材のマスタリング&オペレーション」を含めた上映用機器として活用できるのではないかと考えた。
その着想を元に「テスト&実地検証」を繰り返し、各種状況下において「Ki-Pro」を使用したスクリーニングワークフローを構築した。以下はその詳細である。

※ProResシリーズ:Macの動画編集ソフト「Finla Cut Pro」に標準搭載されているHDマスターコーデックで、「4:2:2 10bit(限りなく非圧縮に近い形)」のデータフォーマット。

【実施概要】
第3回恵比寿映像祭「上映システムの構築」
第7回CO2上映展「上映システムの構築&投影オペレート」
劇場公開映画『堀川中立売』「上映&上映システムの構築」


HD上映に必要なすべてのシステム&インターフェイスを装備

始めに、Ki-Proを上映機器として採用する利点をいくつか挙げてみる。
・ ProRes形式、HD-SDI(Full HD)出力に対応
・ メディア(モジュール)交換の手軽さ
・ オペレートのしやすいインターフェイス
・ 各種デジタルメディアのKi-Proへの一括収録(デジタイズ)が可能

映画祭などのスクリーニングにおいて、上映フォーマットはテープ&ディスクメディア「HD-CAM / HDV / BD / Digital BETACAM/ DV-CAM / miniDV / BETA-CAM / DVD etc」など 多種に渡る規格が遍在しており、さらに近年はデータメディア「Avi / QuickTime(H.264/Mpeg4) etc…」が加わり、 実に多種多様フォーマットに対応することが求められる。しかし、これらすべてに対応した上映用機器を揃えることはコスト、実務的にもあまり現実的ではない。

ここで登場するのが「Ki-Proを取り入れたスクリーニングワークフロー」である。混在するフォーマットの統一、ハイクオリティな映像投影、尚且つ低コストで幅広いフレキシブルな対応も実現できる。 システム面での安定性にも優れているという点で、非常に実用的な上映システムである。

※Ki-Pro本体にはソフトウェアアップコンバートでは実現できなかったクオリティでSD/HDの変換をリアルタイムに行なうことができるアップ&ダウンコンバート機能が実装されている。 これによりすべてをHDサイズフォーマットに統一する事や、SD素材をHDサイズにアップコンバートして上映することが可能である。 Ki-Proの機能はこれだけではなく、コンバート後の収録機能も本体に備えているという点にある。本来ならコンバートした素材を収録する為のデッキを用意する必要があるが、 「コンバート&ProRes収録」という1台2役の機能により、そのすべてをProRes環境で行なえるという点でも魅力的だといえる。

Ki-Pro
Ki-Proのインターフェース
SDI、HDMI、RGB、コンポーネント、すべての同時出力対応
Ki-Pro

Ki-Proが上映用機器としても優れている点は、プロジェクターの入力系統として主流な「HD-SDI(SDI、BNC) / HDMI(DVI-D) / コンポーネント(RGB) / コンポジット(RCA)」出力が可能ということにある。これだけの出力端子があれば大半のプロジェクターに入力できる上、HD上映が不可能な場合も、 Ki-Pro本体のダウンコンバート機能により「コンポーネント(RGB) / コンポジット(RCA)」でのSD上映が可能になる。これによって、すべての出力用素材をあらかじめマスタリングしてKi-Proモジュールに収録しておくことにより、 上映素材と再生機の統一がなされ、上映オペレーションシステムにHDとSDの各種素材ごとに別個の再生機器をいくつも並べたり、余分な素材を別途用意するといった手間が掛からない。

※プロジェクターの中には動画ファイルのフォーマットに対応していないものもある。たとえばフレームレートが24pの動画ファイルは、 古いプロジェクターやモニターでは再生に対応していない場合もあるので、投影機との組み合わせには注意が必要である。

Ki-Pro

また、外寸:228.6(W) × 155.6(D) × 82.5(H)mm、重量:1.67kg 共にオペーレート環境を、かなり小スペースに押さえることが出来ることも大きい。

Ki-Proモジュール(HDD)と構成
最大1080分のプログラム収録とトラック機能

Ki-ProのモジュールはFireWire800端子を備えたモバイルタイプのHDDで、このモジュールをPCに接続し、ProRes形式で圧縮された動画ファイル(Quick Time)をモジュール内にコピーするだけで、Ki-Pro本体から映像出力が可能となる。

動画ファイル作成やプログラム毎の1本化などは、主にMac専用のFinal Cut Proや、Final Cut Studioに含まれるエンコード処理ソフトウェアCompressorなどを使用する。なお、Quick Timeデータは 上記のProResサポートコーデックのいずれかに対応していればKi-Proで問題なく作動する。

Ki-Pro

上映素材が複数本ある場合も上記容量分の動画を収録する事ができ、別途追加のモジュールを用意すれば「プログラム毎にモジュールを入れ替える」という事も可能だ。 この作業もテープ・ディスクメディア等で従来のスクリーニングを行なったことがある人であれば簡単に行なえる。
実際に「第7回CO2上映展」では、モジュール(500GB)を2つ用意し、1日の上映プログラムすべてを1つのモジュールに収録し上映を行った。(1日あたり:長編3〜4作品程度)

Ki-Proには各動画ファイルをトラック別に収録できるという強みもある。例えば複数のCMや本編をトラック分けして収録し、「本編1」に対しては「CM1」、「本編2」に対しては「CM3」を上映するといったことにも即座に対応できる。

他にも上映時間以外に「イベントロゴ」を投影したり、シンポジウムの際にOPPの代用として 「トークテーマ」などのタイトルフレームを動画ファイルとして投影するなど、使い方次第で会期中の映像素材すべてをKi-Proに収録することが可能となる。

※ロゴやフリップを動画データに書き出す際に、長尺の動画を作成する必要はなく、10秒20秒単位での動画を収録し、一時停止ボタンを活用しスクリーン投影を行った。 またPCからのダイレクト出力などで発生するインタレースによるシャギーもないため、充分投影に活用できる機能である。またループ機能も備えているので、展示用映像等、長時間の投影にも力を発揮する。

Ki-Proのオペレーション
小スペース&容易なオペレーション操作システム

Ki-Pro本体の操作はフロントパネルから行うが、テープデッキとほぼ同じ操作感覚で使用できる。本体の「selectボタン」から任意のトラックを選択し、「再生ボタン」を押す、 これで収録された動画ファイルが再生される。他にも「早送り」「巻き戻し」「一時停止」「停止」「トラックの頭出し」など、標準のデッキ操作が可能である。

Ki-Pro Ki-Pro

モジュールの取り外しについても、イジェクトボタンを押しながら取り外し、別のモジュールに付け替えるだけで本体が自動でマウントしてくれるので、テープ交換とほぼ同じ作業と言える。 また、各トラックの終了後は自動で停止機能が働くので、次のトラックが勝手に再生されるといったトラブルもない。上映の際には、収録されているモジュールとトラック名の仕様書を作成するだけで、 誰でもオペレートを行えることも魅力的だ。ボタン操作から再生までのレスポンスに関しても、ディスクメディアのような読み込み時間(LOADING TIME)を必要とせず再生することができ、ストレスがない。

民生機器にあるような、「再生」「停止」といった操作表示が投影画面に表示されることもなく、すべて本体フロントパネルのデジタル表示で操作状況が把握できる プロユースの仕様がデフォルトで備わっているため、イベントや展示会での映像投影、映画祭や劇場等での映画・映像作品上映といった一般公開のプレゼンテーションの場において、 業務レベルのシステムで採用されるに充分なポテンシャルを持っている。

まとめ
Ki-Pro

今回Ki-Proを使用してみて、現場レベルでいくつか気がついた利便性があった。素材のマスタリングに関しては、各種上映メディアのデジタイズさえ行ってしまえば、 すべてPC(Mac)内でProRes変換する事が可能だし、上映素材が上映本番間際に到着するといったこともしばしばあるが、 トラック別収録の利点を生かし、他の収録済み動画ファイルに干渉することなく、素早く上映用モジュールにデータを追加することが出来る。
オペレーションルーム(映写室)でも、プロジェクターとバックアップ機など以外は「Ki-Pro」「オペレーター人員1名」が収まるだけのスペースがあれば、オペレートの現場を確立できるという事になる。

※バックアップ機器に関しては、AJA製の「Io-Express」や「Io-HD」などを使用し、MacBookProとFinal Cut ProからSDI出力を行うなどしてもよい。

HDDのデータ上映という事で、走行の安定性を不安に感じる向きもあるかと思うが、PC上での動画再生のような「OSを働かせての再生」というシステムではないので、 走行の安定性には非常にすぐれている。HDDレコーダー(プレイヤー)とほぼ同等のものだと考えてよい。

[Ki-Pro走行実績] ※いずれもノートラブル
・ 第7回CO2上映展:1会場、300時間程度/計1週間(本上映、試写、ノイズチェック)
・ 第3回恵比寿映像祭:3会場、30時間程度/計1週間(本上映、ノイズチェック)
・ 劇場公開映画『堀川中立売』:4会場、600時間程度/計5ヶ月間(本上映、試写、ノイズチェック)

現在HD作品の制作は広がる一方で、それを上映するフォーマットが確立されていない現状があるが、ハリウッド発信のデジタルシネマフォーマット(DCP規格)に比べて ケタ違いの低コストで安定したHD上映が実現可能になり、今までのテープメディアと同等またはそれ以上の価値をKi-Proは提供してくれる事が期待できるといえる。

※DCP投影システム(2K/4K)設備費:約1000万~2000万円程度、35mmフィルム投影システム設備費:約500万〜1000万円程度、DCP投影システムのDLPの、Ki-Pro(HD/SDI系統)からの投影も実証済。

Outline
概要 Outline
KyotoDUでは、ASKDCCご協力の元「映画祭・上映会・ギャラリー展示」などのHD上映支援を行っています。
Ki-Pro上映ににご関心がおありの法人・団体・個人様は、お気軽にKyotoDUへお問合せください。 企画内容や使用条件等をご相談の上、ベストなスクリーニングの実現にご協力いたします。
実施内容
  • Ki-Proを使用した上映デモ
  • 上映コーディネート
対象
  • 映画祭事務局
  • イベント企画オーガナイザー
  • 施設運営者
  • 製作・配給関係者
お問い
合わせ
Contact
担当 KyotoDU 田中、唐津
協力 ASKDCC
販売代理店(関西) 株式会社 コブ
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