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桃まつり「うそ」『カノジョは大丈夫』HD編集レポート

桃まつり「うそ」『カノジョは大丈夫』HD編集レポート

今回、桃まつり「うそ」の参加作品『カノジョは大丈夫』(監督:安川有果)にKyotoDUから機材協力と「FinalCutPro(以下FCP)」を使用しての編集協力をいたしました。 撮影で使用されたカメラはビデオ機能を備えた「Canon EOS5D markⅡ」。 その際、上映用フォーマットに出力の際の「互換性」と「対応策」を最近のHD環境の動向を踏まえて報告いたします。

桃まつり「うそ」『カノジョは大丈夫』 桃まつり「うそ」『カノジョは大丈夫』

撮影フォーマット

解像度:1920*1080 / コーデック:H.264(QuickTime) / フレームレート:30P (30fps)
(※本作品の撮影は、データ記録型一眼レフカメラを使用しFCPで編集を行っています。)


ビデオカメラと一眼レフカメラの記録フォーマットの違い

一般的なビデオフォーマットとは違い、今回使用したカメラは「30P(30fps)」記録である、 P2やAVCHDなどのビデオフォーマットでの「30p(29.97fps)」での記録対応がされないと言うことが編集時のポイントとなります。 SD環境では重要視されなかった「フレームレート」と「優先フィールド」の概念が、 HD環境においては上映用デッキで「再生不可」という問題を招くことにも注意が必要です。 (※PCでの再生環境下であっても、未対応コーデックでの作業が上映時の問題になる場合がありますので、 事前に上映用フォーマットの確認をする必要があります。)


フレームレートと優先フィールドについて

ここでは、実際にテープ媒体への対応策として「フレームレート」と「優先フィールド」の概念について少し説明を記載しておきます。

桃まつり「うそ」『カノジョは大丈夫』

一般に日本市場(NTSC)で販売されているビデオカメラでのフレームレートは「60i60p / 59.94fps」「30i 30p / 29.97fps」「24p / 23.98fps」に統一されています。 これに対して一眼レフカメラでは純粋な「30p/30fps」や「24p/24fps」での記録モードを備えた物が多く出回っています。 主にテープ(HDV等)への出力に関しては上記のフレームレートで撮影したものを記録媒体に合わせて「29.97fps / 23.98fps」に変換しておく必要があります。 また、優先フィールドにおいてもプログレッシブ未対応のプレイヤー等もあるので、状況に応じてインタレース(優先フィールド)を付加する必要があります。

今回の編集で問題となった部分は「30p/30fps」と「プログレッシブ」記録の点で、編集前に「30p/29.97fps」と 「インタレース(優先フィールド「上」)」の素材に変換した上で編集作業に入っています。 またFCPは書き出しにフレームのコマ数を自動補間する機能を備えていますので、編集後データ出力の際に 「29.97fps」「インタレース」へ変換する事も可能です。ビデオレートの違うシーケンス間の作業データの移動は、 コマ数がずれる原因になるので、音声や映像等がずれる恐れがあります。出力の際はProRes422などの高画質圧縮コーデックを使用して一旦書き出した後に、 再度新規シーケンスへの読み込みを行います。(※実際にSDI等で同軸出力が可能なボードとデッキを使用する際はこの限りではありません)

以上、HD環境への対応策として考慮いただければと思います。 また今回撮影いただいた撮影の倉本さんから、カメラレポートも頂いていますので合わせて参考にしてください。

(担当:唐津正樹)

桃まつり「うそ」『カノジョは大丈夫』 桃まつり「うそ」『カノジョは大丈夫』

コメント:Canon EOS5D markⅡを使用して

この作品でCanon EOS5DmarkⅡを使用した一番の理由は、脚本段階でおよそ8-9割がナイター(夜)撮影であった点だろう。 また高感度&低ノイズである事が、実際ナイターでの「情景」や「引きの画」で感度を最大IOS2000近くまで上げたが、全く問題なく作品の絵に影響は無かった。

ただ動画撮影可能とはいえ、本来写真用に作られたカメラである為、動画モードではAFが利かない点や、 純正のEOSマウントのAFレンズはフォーカスリングが無限に回る為に、 フォローフォーカス等のアクセサリー類をつけなくてはフォーカスを送るのが困難で、 アクセサリーを付けると機動力が落ちるなどの欠点はあった。 その点はCanonのNFDマウントのMFレンズのマウントコンピューターを使用し、 事前にピン打ち(ピントを打つ作業)をして撮影助手がフォーカスを送れる様にすることで対応した。

また、5DmarkⅡ後部の液晶はバリアングルでは無い為、正確なフォーカス位置を確認するために撮影中は監督用モニターとは別にカメラ側に panasonicの液晶モニター(BL-LH80W)を使用しモニタリングを可能にした。

このカメラの形状上一番難しいのはハンディ(手持ち)による撮影で、今回はハンディでの撮影は少なかったが、 ハンディ撮影が多い作品の場合は専用のショルダープレートも用意されているが、今回の様に予算の少ない現場では小型ビデオカメラ用に市販されている ショルダープレートを改良して使用するのも一つの手だろう。

また、音に関することではこのカメラにはボリューム調節機能やキャノン(XLR)端子が無い為、 録音用のフィールドレコーダーを使用したカチンコによるシンクロ方式を採用。 撮影時カメラ側にはステレオミニプラグからキャノン(3ピン)を変換させ録音ミキサーからのラインアウトをカメラ(CFカード)内に記録させる事で、 編集時にカチンコと同期させる際にガイドとして使用できるようにした。

全体を通して得た感想としては、ビデオカメラ慣れしているカメラマンには少々使いにくいカメラではあるものの、 その形状に慣れてしまえばビデオカメラと同様に扱えるし、ビデオカメラにはないISO感度を変える事ができる機能によって 被写界深度を操れる点はとても面白く、撮影者の意図を明確に映像に表すことのできるカメラだと感じた。

(撮影担当:倉本光佑)

桃まつり「うそ」『カノジョは大丈夫』 桃まつり「うそ」『カノジョは大丈夫』

上映情報

日時:5月22日(土)~6月4日(金)
場所:PLANET+1(大阪梅田 中崎町)
料金:\1.000(1プロ) \2.400(3プロ) ※全11作品
時間:19:00~(土日は昼間の上映あり)

桃まつりpresents「うそ」詳細はこちら

Outline
日程 2010.12月中旬~下旬
主催 桃まつりpresents「うそ」
監督 安川有果
出演 前野朋哉、牧野鏡子、板倉善之、一ノ瀬美和子
レポート協力 安川有果 / 倉本光祐(カメラマン)
機材協力 KyotoDU
編集協力 KyotoDU(唐津)
使用機材
  • BT-LH80WU (Panasonic)
  • MacPro(Apple)

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